米アカデミー賞で話題、多様性とリプレゼンテーションとは
記事のポイント
- 映画「オッペンハイマー」が第96回アカデミー賞最優秀作品賞に決まった
- 今年の作品賞のノミネートから、多様性を反映する新基準が適用
- 主役級俳優の一人にマイノリティーを採用することなどを求める
原爆を発明した米物理学者の生涯を描いた映画「オッペンハイマー」が第96回アカデミー賞最優秀作品賞に決まった。3月11日(日本時間)、米ロサンゼルスで授賞式が開かれた。今年の作品賞のノミネートには、作品や制作チームに多様性を反映する新基準が適用されている。(オルタナ副編集長=吉田広子)

アカデミー賞を主催する米映画芸術科学アカデミー(AMPAS)は2020年、DEI(多様性・公平性・包括性)を推進するため、アカデミー賞作品賞の新たな選出基準を発表した。これまで、アカデミー会員は白人が多く、俳優部門の候補者も白人ばかりだったことから、多様性に欠けると批判されていた。
AMPASは、「『リプレゼンテーション』と『インクルージョン(包摂性)』に関する新基準は、映画を観に行く観客の多様性をよりよく反映するために、スクリーンの内外で公平な表現を奨励するように設計された」と説明している。