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『Freewillと巡るバリ島──サスPayからはじまる未来の旅』
『Freewillと巡るバリ島──サスPayからはじまる未来の旅』

『Freewillと巡るバリ島──サスPayからはじまる未来の旅』

2025/04/04・byGengenGengen
2025/04/02
By Genki Kimura, Yuri Matuura, Akira Toyama, Belle Wang
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 南国リゾート、青く透き通った海、サーフィン──「バリ島」と聞いて真っ先に浮かぶのはこんなイメージだろうか?
年間約600万人がアジアやヨーロッパ各国から訪れる世界屈指の観光地バリ島。だが、この島には、華やかな観光地という顔とはまったく異なるもう一つの表情がある。
 私たちFreewillは今回、新たなプロジェクトとしてリトリート施設建設の視察のため、この地を訪れた。そして、祭典オゴオゴや「沈黙の日」ニュピといった伝統儀礼を現地で暮らす人々が大切に守り、先祖からの口頭伝承を通じて文化を受け継いでいる姿に触れた。
世界各国から多様な背景を持つメンバーが集まり、個の意志(Will)を尊重しながら社会に新たな価値を創り出すことを目指す私たちだからこそ、観光だけでは見えてこないバリ島の本質的な魅力を共有できるのだと感じている。
撮影地:Amed Beach・ブランチカフェからの景色

心が満ちる島──バリが教えてくれたこと
 バリ島の生活には、自然と神々を尊ぶ精神が深く息づいている。彼らの一日は祈りから始まり、一日三回の祈りを捧げる。特に、チャナン(Canang)と呼ばれるお供え物は、バリの人々の生活に欠かせないものであり、その作成は女性の重要な役割とされる。これを作れない女性は結婚できないとも言われるほど、その意味は深い。
 こうした祈りはバリの人々にとって単なる儀式ではなく、神聖で心を整える大切な時間である。物質的な豊かさを追い求める現代社会において、バリの生活様式は、より深い満足感や心の平穏を追い求める重要性を再認識させてくれる。
 私たちがバリに惹かれる理由は、単なる観光地としての魅力を超え、現代の喧騒の中で忘れがちな「心の豊かさ」を思い出させてくれる存在だからではないだろうか。
撮影地: BALIISM・ワークショップでのチャナン作成

バリ島が抱える、華やかな観光の裏側
 バリ島には、「ユートピア」の裏側で深刻な課題も生まれている。
 人口約390万人のこの島に、世界中から多くの観光客が訪れている。
観光地化や外国資本の流入が進むなか、近年の規制緩和や土地利用制度の変更に伴い、農地を商業施設や宿泊施設に転用する動きが急加速した。その結果、棚田や森林の消失、水資源の不足、さらには伝統的な共同体文化の崩壊など、「オーバーツーリズム」の弊害が顕在化している。
 ヌサペニダの住民であり、シャーマンでもあるニュマンティさんによると「地域との対話がないまま利益を独占するような開発は、助け合いや調和を重視するバリ精神とは相容れず、強い拒否感を生む」という。持続可能な観光地としてバリ島本来の魅力を守るには、地域社会との継続的な対話と、公正かつ明確な利益還元の仕組みづくり、そして観光客側の意識向上も欠かせない。
撮影地:バリ島 Gianyar・神聖な椰子の木が見守る、静謐なリトリート。

旅のあり方を変える、「還元」という選択
 神聖なニュピの日、私たちは会話も電気も飲食もせず、ただ自然に身をゆだねて過ごした。風や虫の音に耳をすませるうちに、大自然が心を浄化し、自分と世界とのつながりを思い出させてくれた。
 この体験を通し、サステナブルツーリズムは日々の選択と深く結びついていることに気づく。日本でもオーバーツーリズム対策として行われる都市開発により、樹木が伐採され、気温上昇や気候変動につながっている。
 しかし、そんな現実の中でもサステナブルな仕組みを通じて、観光客も自然や文化への感謝を形にすることも可能だ。たとえば私たちが手がけるグローバルサービスの一つ、「サスPay」では、お買い物を通じ、利益の一部が自動的に地域支援などのために活用され、小さな選択が未来を守る力となる仕組みになっている。それこそ、現地での体験ツアーに参加するにあたり、この仕組みを利用してもらえれば、海外からの観光客の方が、地元のために還元することが可能になる。こうした取り組みを一つのモデルとして、みんなで活用していけば、100年後の未来もきっと変わるはず。
 「守り、返す」という意識を持ちつつ、地域と旅人、内と外が互いに理解し支え合う関係こそが、サステナブルツーリズムの土台となるだろう。
撮影地:Savana Tianyar・地元の方の愛犬紹介タイム

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 私たちがバリ島で出会ったものは、観光ガイドには載らない土地の豊かさだった。Freewillは、サスPayをはじめとするサービスをもとに、観光客一人ひとりが自然や地域社会に感謝を伝えられるような新しい旅のスタイルを提案している。
 旅を愛する私たちだからこそ、旅先の未来にも目を向ける。そんな新しい旅のかたちを一緒に見つけてみませんか?