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【台湾花蓮地震】復興状況とこれからの支援
【台湾花蓮地震】復興状況とこれからの支援

【台湾花蓮地震】復興状況とこれからの支援

2024/08/07・byMalika KerimbayevaMalika Kerimbayeva
目次

・被害について
・歴史と未来をつなぐ努力:発災から3ヶ月の復興状況
・SPINのフォロワーの皆様へ、伝えたいこと
・最後に


2024年4月3日に台湾東部の花蓮県で発生したマグニチュード7.2の地震から、早くも4ヵ月が経ちました。その後も続く余震や土砂崩れによって、多くの人々が困難な状況に直面しています。しかし、地域の人々の強い意志と支援の手が、少しずつ希望の光を灯しています。

今回は、SPINプロジェクトチームが震災の影響を受けた花蓮の「島東譯電所」と「Cabret Cafe」にインタビューを行い、現地の状況と支援の必要性についてお伝えします。


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被害について



島東譯電所


島東譯電所は、中華民国52年に建てられた古い民家で、現在家族経営のお店となっており、店内には貴重な工芸品が展示されています。

地震の影響で、美しい壁が崩れ、玄関のドアも変形してしまいました。家屋崩壊のリスクが高まり、修理のために休業を余儀なくされています。観光業が主な収入源である花蓮では、観光客の減少が生活に直結し、非常に厳しい状況が続いています。




Cabret Cafe


Cabret Cafeは、地震後に多くの困難に直面しました。原材料の調達が難しくなり、主力商品であるギフトボックスの出荷に支障が出ています。

観光客の減少もあり、店舗のある地域の観光業に深刻な影響が出ています。建物や給水塔の被害によって、水供給にも問題が生じ、地域の生活がさらに厳しくなっています。


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歴史と未来をつなぐ努力:発災から3ヶ月の復興状況



島東譯電所


政府の支援として、観光客には一人当たり1000元(約4000円)の宿泊補助金が支給されていますが、その効果がどのように現れるかはまだわからない状況です。
(台湾の大手求人サイト「104人力銀行」によると、2023年の台湾の平均年収は日本円に換算して約333万円だったと報告されています。)


島東譯電所では、長い歴史を持つ美しい建物と貴重な美術品を守りながら、再び営業を再開し、多くの人々に訪れてもらえるようにと、一生懸命取り組んでいます。しかし、7月の大雨による落石や線路の被害が続いており、観光客が増える見込みは立っていません。
それでも、島東譯電所の皆さんは希望を持ち続け、地域の再生に向けて努力を続けています。




Cabret Cafe


Cabret Cafeでは、現在水供給に関する深刻な問題に直面しています。余震による土砂崩れが頻発し、地域の水供給に大きな影響を与えています。水質の確保が難しくなり、水不足が深刻化している状況です。

また、大雨による落石が多発し、安全面を心配する声が高まっています。そのため、花蓮を訪れる観光客が減少し、お店の営業にも影響が出ています。復旧作業はほぼ完了していますが、地震の影響で壊れた壁が残り、大雨が降るたびに雨漏りが発生し、営業に支障をきたしています。それでも、Cabret Cafeのスタッフは花蓮の美しさとおいしい料理を守り続けるために、一生懸命に取り組んでいます。


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SPINのフォロワーの皆様へ、伝えたいこと


島東譯電所とCabret Cafeは、SPINプロジェクトが地域支援と広報活動を続けてくれることを心から期待しています。

震災の影響を受けた地域の現状を広く伝えることで、花蓮の観光業が回復するための助けとなることを願っています。正確な情報が多くの方々に届くことで、支援の輪が広がり、花蓮の復興に繋がると信じています。


島東譯電所からのメッセージ


「この度の震災では、日本の皆様からの温かい支援をいただき、心から感謝しています。

いただいた寄付は、金銭的な支援だけでなく、私たちにとって大きな励ましとなり、遠く離れた方々の心遣いに深く感動しました。限られた時間の中で外部からの支援を待つだけでなく、まずは自分たちでできることを進め、基盤を固めていくことで、より効果的に支援を受け入れ、完全な復興を目指しています。」


Cabret Cafeからのメッセージ


「花蓮は今も変わらず美しい場所です。自然に囲まれた花蓮の魅力と、美味しい料理をぜひ味わっていただきたいと思います。

地震の影響で一部の場所はまだ復旧作業中ですが、素敵な場所もたくさんあります。もしお時間があれば、ぜひ花蓮に訪れてみてください。また、支援をいただけると、地域の人々にとって大きな力となります。どうぞよろしくお願いいたします。」



最後に


1999年に台湾で発生したマグニチュード7.7の「台湾大地震(921地震)」では、日本からの救援隊が当日の夕方には現地に到着し、迅速に救援活動を行いました。その後も、2011年の東日本大震災や2024年の能登半島地震では、台湾の皆様から多大な寄付をいただき、日本の復興に大きく貢献していただきました。

台湾と日本は、いざという時に互いに助け合いながら歩んできた歴史があります。そして現在、台湾が震災の影響で困難な時期を迎えている中、支援を必要としている人々がいます。今こそ、私たちがその恩返しをする時です。

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SPINプロジェクトは、「One Love Project」として緊急支援を呼びかけています。現地の支援団体と連携し、被災状況や支援ニーズの調査を行い、捜索・救助活動、医療支援、そして緊急物資の提供などを実施しています。


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