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自治体のSDGs認証制度と渋沢栄一の「論語と算盤」
自治体のSDGs認証制度と渋沢栄一の「論語と算盤」

自治体のSDGs認証制度と渋沢栄一の「論語と算盤」

2024/09/19・by笹谷 秀光(経営コンサルタント)笹谷 秀光(経営コンサルタント)

記事のポイント


  1. 東京都北区のSDGs認証制度は渋沢栄一を活用するユニークなものだ
  2. 自治体のSDGs認証・登録・宣言制度の効果と課題を分析すべき
  3. ポストSDGsに向け自治体と企業の連携で持続可能な社会を目指せ


東京都北区は、日本の近代経済の父と称される渋沢栄一のゆかりの地だ。渋沢栄一が提唱した「論語と算盤」の精神は、SDGsの理念と深く共鳴する。北区のSDGs認証制度では、この「論語と算盤」のモチーフをロゴとして採用した。ポストSDGsと自治体の認証制度について考える。(千葉商科大学客員教授/ESG/SDGsコンサルタント=笹谷 秀光)


■地方自治体によるSDGs推進制度の価値は


地方自治体のSDGs制度には、「宣言制度」「登録制度」「認証制度」の3つがある(令和6年3月31日時点で、宣言制度: 29自治体、登録制度: 64自治体、認証制度: 6自治体)。https://www.chisou.go.jp/tiiki/kankyo/pdf/sdgs_kinyu/sengen-toroku-ninsho_list.pdf


これらの制度は、異なる役割を持つ。「宣言制度」は、企業がSDGsへの取り組みを宣言することを促すもので、参加が簡単で柔軟な制度である(例:静岡市)。


「登録制度」は、SDGsに積極的に取り組む企業を登録し、一定の基準で活動を確認するもの(例:長野県、熊本県)。最後の「認証制度」は、SDGsの成果を上げた企業を公式に認証し、特別な融資制度などのインセンティブを提供するもので、北区のほか豊田市などの例がある。