群馬県産山葡萄カゴバッグ<乱れ編み>
Transparency Points
透明性項目
品物のハイライト
この品物の注目して欲しいポイント
作り手
品物の生産に関わった作り手の顔とコメント
生産地
品物が作られた場所
原材料
品物の素材や原料
国産山葡萄
100%
SDGsへの貢献
この品物がどのSGDsに貢献しているか
山葡萄のカゴバッグは100年もつと言われている親子三世代バッグです。内袋も古布や端切れを使用しています。
影響・効果
社会にどんな影響・効果があるのか
山葡萄は木に巻きついて成長するため、わざわざ人の手を使って伐採する必要があります。材料を採ることが森の木々を守ることに繋がり、さらに素材として使うことで人々の暮らしに潤いを与えます。
レア度
品物の希少性
Story
品物のストーリー
「山葡萄を採ることが自然破壊なのでは?」は逆だった
母が作家をしていたのがきっかけで、大学生のときに初めての作品を作りました。その時はただ楽しいなと思っただけでしたが、それから少しずつ山葡萄に興味を持つようになりました。
材料を採りに山に入ったり、採取した蔓が素材になるまでの過程を見たりするうちに、一部の地域にしか自生していない貴重な素材である山葡萄を採ることが自然破壊につながるのでは?と疑問を持ち始めました。
でもその逆で、山葡萄を適切に採ることが山の木々を守ることにつながると知りました。
他の伝統工芸同様に職人さんが減りつつある中で、自然環境を守れて、使う人・作る人が楽しめるものを絶やしてはいけないと思い、母の跡を継いで作家として活動しようと決めました。
最高齢82歳!製作に関わる山の達人「ターザン」たちの存在
作品製作に関わってくれているのは、
山葡萄の生息場所を見つけてくれる山の達人(ターザンと呼んでいます)、5メートル以上の木に登って蔓を切ってくれる地元のおじいちゃん(最高齢82歳!)、蔓を採ってくれる地元のおじさん(5-6名程度)。
材料採取は、、
Learn Stories of Makers
アトリエ月について
群馬県沼田市で山葡萄やクルミなどの天然の素材を使ったカゴバッグや雑貨を母娘で製作しています。素材は地元の山に入り自家採取しています。
もともと農閑期の仕事として製作されていた山葡萄のカゴバッグは民藝として親しまれていたものでしたが、最近では“日本のバーキン”とも呼ばれ、大変貴重な逸品となっています。
また、カゴバッグの魅力をたくさんの方に知ってもらいたいとの思いから、一般の方にもご参加いただける手作りカゴバッグ作りのレッスンも行っています。
群馬のアトリエほか、都内近郊のカルチャースクールなどで定期的に開催しています。
「山葡萄を採ることが自然破壊なのでは?」は逆だった
母が作家をしていたのがきっかけで、大学生のときに初めての作品を作りました。その時はただ楽しいなと思っただけでしたが、それから少しずつ山葡萄に興味を持つようになりました。
材料を採りに山に入ったり、採取した蔓が素材になるまでの過程を見たりするうちに、一部の地域にしか自生していない貴重な素材である山葡萄を採ることが自然破壊につながるのでは?と疑問を持ち始めました。
でもその逆で、山葡萄を適切に採ることが山の木々を守ることにつながると知りました。
他の伝統工芸同様に職人さんが減りつつある中で、自然環境を守れて、使う人・作る人が楽しめるものを絶やしてはいけないと思い、母の跡を継いで作家として活動しようと決めました。
最高齢82歳!製作に関わる山の達人「ターザン」たちの存在
作品製作に関わってくれているのは、山葡萄の生息場所を見つけてくれる山の達人(ターザンと呼んでいます)、5メートル以上の木に登って蔓を切ってくれる地元のおじいちゃん(最高齢82歳!)、蔓を採ってくれる地元のおじさん(5-6名程度)。
材料採取は総監督で父が担当しています。
製作は、群馬の小さなアトリエにて。
教室も併設しているので、いつでも製作風景が見られるようにしています。
すべて手作業で裁断!?無心の製作工程
まず、素材となる蔓を採るところから始まります。
蔓を採るといっても一年中好きな時に採れるわけではなく、梅雨時期の木が水を吸い上げているほんの短い期間しか採ることができません。
そのため貴重な素材と言われています。
次に、採った素材を加工します。この作業がとても大変です。
山葡萄の蔓はまっすぐではないので、機械で裁断することができません。
すべて手作業で木の脈に合わせながら裁断していきます。
材料が整ったところで編む工程に移ります。
シーンや用途に合わせて、大きさや形など自由にデザインを考えます。
大きく分けて、木型を使って編むものとフリーハンドで編むものの2パターンがあります。
編み上がったら、内側につける袋の製作をして縫い付けたら出来上がりです。
製作しているときは使う人を想像しながら作業していますが、むしろ無心になれる時間かもしれません。
カゴバッグのレッスンに来ている生徒さんも「夢中になれて良い」とおっしゃっています。
かごを編むことはほんの一部。最も重要なのが…
カゴバッグというとどうしても編むことが注目されがちですが、カゴを編むことはほんの一部で、最も重要なのが、蔓を採ること、そして使える素材に加工することです。その工程は、父や地元の方々が担ってくれています。
皆さんの苦労を無駄にしないように細かくなった素材も小物やアクセサリーにして、廃棄を最小限にするよう努めています。
意識しているのは、「日常で使えるもの」を作ることです。
また、若い方も持ちやすいようなデザインを作るようにしています。
製作することは楽しく、苦労はありません。笑
<ビジネスマン向けに制作したブリーフケース>
山葡萄の場合は材料が希少なので、つくり続けるには素材が採れる自然が身近にあることが大事です。また、作品を作るまでにたくさんの裏方の皆さんに支えられています。
その方々にお返しするためにも、しっかりとした作品を作り、販売していくことが必要です。
ものづくりと「出会い」
私にとって、ものづくりとは「人生の楽しみ」と「人との出会い」です。
世代や性別を超えて、カゴバッグがなければ知り合うこともなかった方々との出会いがたくさんありました。作品を通じて、お客様同士が繋がったこともあります。
そんな出会いを通じて、知らなかったことを学べるのも楽しみのひとつです。
本当に自分に必要なものを見極めて、もの選びを。
日本のものづくりは、自然と共存しながら発展していたような気がしています。
大量消費社会になってからさらにその大切さが重視されつつも、携わる人の生活がままならない一面もあります。
ですので、消費者の方には、本当に自分に必要なもの・合っているものをしっかりと見極めてもの選びをしていただけると嬉しいです。
特に工芸品は値段で敬遠されがちですが、実際に使ってみると使い心地はもちろん、気持ちも豊かになり、値段以上の価値があると思います。
ものを通じて、人にも地球にもやさしくできる未来へ
ものづくりには、ある意味の限度というものがあります。
必要なものを必要なだけ使っていれば、無駄に自然破壊をしたり、環境汚染をしたりする必要はないはず。
また、ものづくりに触れると作ることの大変さを学ぶことができ、「捨てる」ということがどれだけ勿体無いかを知ることができ、ものを選ぶ価値観が変わってくると思います。
また、ものに触れると作り手の温度を感じることができると思います。
直接触れられる機会を増やし、特に若い世代にものづくりに興味を持ってもらうことが必要なのではと思っています。ものを通じて、人にも地球にもやさしくできる未来につながれば嬉しいです。
使い込むほどに艶が出てくる“一生ものの育てるバッグ”
<写真右は25年もの!色が深くなりまるで革のよう>
山葡萄のバッグは、使い込むほどに艶が出てくる“一生ものの育てるバッグ”です。
通常、物は劣化していきますが、山葡萄の場合は年を経るごとに良い艶が出て価値が出てきます。その魅力を感じていただけたら嬉しいです。
三世代に渡って使っていただけるバッグですので、
親から子、子から孫へと引き継ぐ時に、思い出話などしていただくきっかけになると良いと思います。
持つ方の自信になる、自慢していただけるような作品を作っていきたいと思っています。