屋久杉 お食い初めせっと
Transparency Points
透明性項目
品物のハイライト
この品物の注目して欲しいポイント
作り手
品物の生産に関わった作り手の顔とコメント
生産地
品物が作られた場所
原材料
品物の素材や原料
屋久杉
100%
SDGsへの貢献
この品物がどのSGDsに貢献しているか
江戸時代に伐り倒された屋久杉の土埋木を使っており、新たに生きている木を伐採していません。
文化遺産・伝統工芸品
認定されている称号、受賞歴等
鹿児島県指定伝統的工芸品
レア度
品物の希少性
Story
品物のストーリー
屋久島の豊かな自然にはぐくまれた屋久杉。この屋久杉が江戸時代に伐採され、山に放置された切り株を土埋木といい、屋久杉工芸の材料として使用されています。
杉の舎ではこの貴重な素材の個性を生かしつつ、太古の森のいぶきが織りなす木目の美しさや香りを日々の暮らしの中で楽しんでいただけるよう、ひとつひとつ丁寧なもの作りを心がけております。
Learn Stories of Makers
杉の舎の歴史
創業約45年、屋久島(鹿児島県)という離島で屋久杉工芸品の製造、販売をしています。
現在は私(渡辺)が代表を務めていますが、創立者は私の師匠である中島政信です。
私は以前、別の職についていましたが、木工の仕事をしたいと思い、全国の工房などを見て回っていました。その時師匠に出会い、杉の舎ならではの屋久杉の自然の造形を生かした作品に惹かれ、弟子入りをしました。
先代が「シンプルで親しみやすく、かつ屋久杉を世の中に伝える」という自負を込めて名づけられた「杉の舎」。
ロゴの文字は、その時に出会った鹿児島の書道家(当時屋久島在住)の方が書いて下さり、屋久杉の力強さとおおらかさを込めた文字です。
「杉の舎」は、屋久島森林管理署から直接屋久杉素材を買い付け、丸太の状態からお客様の手に渡るまで、すべての工程を自社で行っています。箸やぐい呑みなどの小さなものから、お盆や花器、座卓などまで、さまざまなものを作っています。ろくろを使った食器と箸やアクセサリーなどの小物、そして土埋木特有の自然に朽ちた部分を活かした花器や茶道具などを中心に作っています。
屋久島は、国立公園、世界自然遺産などに登録され、観光で遊びに来られる方も多いですが、環境保全と観光、経済の両立が課題となっています。また、外から作られたイメージと島人の持っているイメージの乖離などもあり、自然だけでなく、里、人の交流などをもっと進めたいといわれつつも、なかなか思うように進んでいません。その中で職人ならではの「手から伝える」ということをテーマに、工芸品の販売や工芸の体験をしています。
食器セットの誕生
友人の出産祝いに小さい食器を作り喜ばれたのをきっかけに、樹齢千年以上の屋久杉を使用した食器セットを作り始めました。塗装はウレタン系の無色透明の塗装を6層塗り重ねています。
優しい手ざわりや質感、また、千年以上生きてきたという屋久杉の木の生命力は、子供の成長を願う心にぴったり。基本のセットは和食の基本ともいえる懐石(ごちそうではなく、茶道のほうの懐石)の食器揃えを手本にしました(飯椀、汁椀、向付け)。
お食い初め以外でも、小さいお子様が自分で使える。また、大きくなってからでも使えるよう、手触りを優しく、かつ壊れにくくするために少しぽってりしたフォルムに。当舎で作っている似たタイプの食器よりも一工程多く手をかけています。
屋久杉の特徴
屋久杉素材は天然もの。なので個性が強く、大量生産には向きません。貴重な素材を無駄にしないよう、お客様に大切にしていただけるように、時間をかけて丁寧なもの作りをこころがけています。特に、屋久杉の優しい手ざわり、時に華やか、時に荒々しくも見える自然の造形や木の表情をできるだけ活かし、あまり手を加えすぎないよう気をつけています。
作り手の想い
屋久杉の食器を使うことで優しい、おおらかな気持ちになってもらえたら嬉しいです。また、比較的傷つきやすい素材なので、デリケートなものを大切に扱うことを知ってもらえたら作り手としてありがたいです。木の育った環境などに思いをはせてもらえたら望外の喜びです。
大量生産、大量消費ではなく、一つ一つのものを大切に選び、大切に使う、そんな時代に。また、生産者が消費者を、消費する人が生産者のことを思いやれるような、お金とモノだけでない流通ができたらいいなと思います。その積み重ねが地域の問題を解決する一端に、また、異文化理解にも繋がるのではないでしょうか。
自分の作品を手に取った人が優しくなったり、少し心が豊かになってもらえますように。