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isara 鉄皿
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isara 鉄皿

砂型鋳造でできる表面のザラりとした質感、重量、そして手作業により生まれる僅かな個体差など鋳鉄の表情を最大限に表現したお皿です。仕上研磨を最小限に抑え、表面は漆を焼き付け、藁で作った刷毛を使い伝統的な着色技法で表情をつけてあります。 大/L size_ φ210×H18mm weight_ 1,730g 小/S size_ φ155×H13mm weight_ 780g 小小/SS size_ φ120×H10mm weight_ 335g 表面に水気が残ると錆の原因になります。乾いた布で拭きとってください。 製品は自然素材を用いて色付けを施しています。使い始めは黒い色がつくことがあります。 薄い鉄鋳物製品は固い床に落とすと割れることがあります。
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有限会社佐野政製作所
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3品
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1-2日
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品物のハイライト

この品物の注目して欲しいポイント

文化伝統
地域への愛

作り手

品物の生産に関わった作り手の顔とコメント

佐野 秀充
鋳鉄の表情を最大限に表現したお皿です。
専務

生産地

品物が作られた場所

日本、富山県高岡市長慶寺1069

SDGsへの貢献

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レア度

品物の希少性

技術や人が特別
有限会社佐野政製作所
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Story

品物のストーリー

富山高岡市は400年の歴史を持つ鋳物の街です

鍋や釜などの生活用品にはじまり
美術品、アルミ産業、工業部品など
様々な材質やジャンルで発展をしてきました

当社が属する業界「高岡銅器」は
この地で江戸期から約400年にわたって培ってきた
金属鋳造技術を起源とし
銅合金を素材とする美術工芸品として
発展を遂げてきました

昭和50年には伝統的工芸品として
国の第一次産地指定を受けており
平成27年には日本遺産にも認定されています

本製品に使用しています鋳鉄は湯流れが良く
生産性が銅合金に比べてよいことなどから
近年、当産地では銅器の廉価版として
位置付けられ商品開発がされてきました


今回、もう一度その魅力を見つめ直し
表情に落とし込むことで
重厚感がありながら
やわらかくあたたかいという
鋳鉄の新しい魅力を
引き出すことができました

Learn Stories of Makers

「自社に関わる人を豊かにする」


銅器、漆器、鉄器、菅笠など伝統産業で名高い富山県高岡市。
そんな高岡にある銅や鉄の鋳造品を製造販売する佐野政(さのまさ)製作所。

お客様の「こんな形のものがほしい」と言う難しい要望に対しても、120%の力で再現できるように、これまで蓄積してきた加工技術を活用し形にして届けている。


そんな佐野政製作所の代表は2代目の佐野秀充(ひでみつ)さん。

実は佐野政製作所は、かつては仏具メーカーとして地盤を築いていた。そんな伝統あったものを2代目の佐野さんはデザイナーとコラボして鋳造品を製造販売する新たな風を切り開こうとした。

佐野さんの現在の商品への想いを聞いていくと、伝統を尊重する一方で、変化や進化を拒まず、常に新しい価値を創造し続ける必要があることを示しているようだった。

「伝統とはあぐらをかいているだけではいけない」そんな想いが佐野さんの商品には込められている感じがした。

デザインの力を掛け合わせ新たな伝統を作っている佐野政(さのまさ)製作所。その想いとストーリーを聞いた。


「仏具メーカーの子供として生まれて」


富山県高岡市で生まれた佐野さん。
父は1976年から続く老舗の仏具メーカーを営んでおり、父から「手伝ったら漫画を買ってあげるよ」と手伝うようにそそのかされ、佐野さんも小さい時から父親の仕事を手伝ったりなどをしていた。

父親の代の佐野政製作所は仏具メーカーとして「御念珠掛け」という数珠を置いておくものがヒットし、佐野政製作所の主力商品となった。


しかし、一方で佐野さんは仏具という古臭さや、友人のお父さんたちのような華やかな仕事ではないことで、父親の仕事に対して恥ずかしさなどを覚えていたそう。

やはり仏具ということで「誰が使っているのか?」などのイメージが沸かず愛着を持つことが難しかった。

そんな佐野さんであったので、高校を卒業した後は、父親の仕事を継ぐなどは全く念頭になく、関東の大学に進学をする。

「自分の人生を見つめ直して」


自営業で自分の店を構えている父親の姿を見ていたからであろうか、佐野さんも自分で事業を起こしてみたいという想いがあった。
大学在学中に友人と共に飲食店をオープンさせる。その飲食店も軌道にのり、新しい店舗を開くなど、事業がどんどん展開をしていく。

このまま飲食店を進めていく道もあったのだが、人生を見直すきっかけがあった。

24歳の時に、佐野政製作所を支え、切り盛りしていた母親が病気で倒れてしまう。

飲食店で忙しくしていた佐野さん。母親が倒れて、その分の仕事は父親と弟たちで穴埋めをする。長引く療養で、自分だけが家族のために活動できないことに不甲斐なく感じてしまう。

今は飲食店も調子がいいが、このまま飲食店もずっと続けられるかどうかは分からない。

自分の人生の進路を見つめ直し、飲食店のオーナーから一転して、佐野政製作所で働く決心をする。


「伝統は心の中に」


佐野政製作所で父の教えのもと、仏具を作るという仕事を始める。
最初は覚えることも多く、数年は仕事を覚えることで必死だったという。4、5年という月日が経って、仕事にも慣れてきたし、周囲を見渡す余裕もでてきた。

今まで佐野政製作所は仏具メーカーとしての商品を製造していた。しかし、数字として出してはいなかったが、時代が「仏具離れ」というように仏具にお金を使おうとする人たちが減ってきているのが、肌で感じられるようになった。

このまま仏具メーカーとして佐野政製作所を続けられるだろうか?そんな想いを抱くようになった。


しかし伝統文化を変えるということは一筋縄ではいかない。
この高岡市全体で作ってきた伝統文化。何か新しいことを始めようとする場合は慎重にならないといけない部分もある。

佐野さんはじっくり時間をかけて今までの仕事とは違う、新しい事業を探り始めた。

「伝統を感じるために」


400年ほど前、高岡は鉄の鋳造も盛んな街だった。
鍋、釜(かま)、農具などから、しだいに梵鐘や大灯篭、大仏などの大型銅器や、仏具、火鉢、煙管(キセル)、矢立などまであらゆる鋳物が高岡で作られていた。

佐野さんが小さい時も多くの鋳物屋があったが、時代が流れて、佐野さんが高岡で働いていた頃には1軒のみになっていた。

そこで、佐野さんは自分が鉄鋳物を作り、高岡の伝統産業を盛り上げたいと思うようになった。


高岡伝統産業青年会という40歳以下の伝統産業に従事している人の会で、デザイナーさんと息が合い、そのデザイナーさんにデザインしてもらい佐野政製作所の新たな一歩を踏み始めた。


isara 鉄皿

「鉄の鋳物である魅力を最大限に活かした商品を作りたい」という要望にデザイナーさんが最大限応えてくれたこのisara鉄皿。

砂型鋳造でできる表面のザラりとした質感、重量、そして手作業により生まれる僅かな個体差など鋳鉄の表情を最大限に表現したお皿だ。

質感を残すために仕上研磨を最小限に抑えたり、表面は漆を焼き付け、藁で作った刷毛を使い伝統的な着色技法で表情をつけてある。

この鉄皿を足がかりにして、佐野政製作所はオリジナルデザインの鋳物の仕事を増やしていくようにする。


LEPRE うさぎドアストッパー

こちらはまた新たなデザイナーさんとの出会いがあり、新しく作成した商品だ。
こちらも「鉄の鋳物である魅力を最大限に活かした商品を作りたい」という要望にデザイナーさんが応えてくれた商品。

生み出す鉄鋳物ならではのテクスチャーとやわらかなフォルムで​インテリアに彩りを添えてくれる。

重みのある鉄素材で作られているので立てたままでも、傾けて耳の間にドアをはさんでも留めることができる。


実はこの商品を作るには熟年した職人の技術が必要なのだ。

うさぎの耳である部分は細くなっているので、この耳の部分を強度を持たせて作るのには、かなりの技術が必要なのだ。

またちょうどいいバランスで保たせるためには、緻密な計算によって角度や重さを測りながら作らないといけない。見た目の可愛さ以上に繊細な商品だ。


WHALE BUTTER DISH クジラバターケース

こちらの商品はアメリカ在住の日本人デザイナーと佐野さんで作った商品。

バターケースというのは、日本ではあまり馴染みがないかもしれないが、パン文化であるアメリカではポピュラーなものだ。

冷蔵庫内の臭い移りを防いでくれたり、元々包装されていた箱のまま保存しておくと、バターが空気に触れて酸化してしまうので、鮮度を保つなどの効果がある。

そんなバターケースと佐野さんがコラボした商品。
200gのバターがクジラに丸呑みされたユーモアを込めたデザインで、プレゼントなどに人気がある。

富山県高岡市で模型、鋳造、塗装までを行い、愛嬌あるクジラの目の凸凹も職人により精密な機械で丁寧に彫られている。

20gずつの目盛り付きで、お料理やお菓子作りにも便利で、真鍮製の潮吹き部分は蓋を持ちやすく機能面においても優れた商品だ。

「120%の力で製品を再現します」


佐野政製作所ではTells marketに置かれている商品以外にも、特注品やオリジナルデザイン品などのオーダーの生産もしている。


こちらはTOYAMA GAMERS DAYの楯

大会ロゴと高岡大仏をモチーフに仕上げたデザインで、高岡でのEspots大会ということで、優勝者へ贈られる楯も富山県高岡市で400年続く伝統産業を支えている佐野さんに製作依頼がきたものだ。


こちらはSo Koizumi design さんと製作しました風鈴『SEVEN』

なんとこの商品はイタリアで行われた国際的デザインアワード『A’DESING AWARD』にて、シルバー賞を受賞もした。天蚕糸(てぐす)でバランスを保ち、地球に浮いたデザインを作り出した。

デザイナーからオーダーされた時は、製作できるかどうか不安に思いもしたが、セオリー以外の受注を受けていく挑戦心が事業には大事だと思い引き受け、見事に成功した一つになった。


元々仏具メーカーとして伝統のある会社から、現在は新しい分野としてオーダーメイドの鋳物を作るようになった佐野さん。

特にオーダーメイドの鋳物を作るようになってからは、オーダーしてくれる人の顔が分かるため、より気持ちを込めて製作にできるようになったという。

実はこのオーダーメイドの作品というのは、試作品ができるまでに1ヶ月程度の時間を必要とし、そしてその商品が販売に至るまでには1年ほどの時間がかかるのだ。

「伝統とは何か?」


佐野政製作所がもっとも大切にしている理念がある。

「自社に関わる人を豊かにすること」。
「ものを通じ『使う人』『売る人』『作る人』を幸せにする」。


高岡の鋳物もかつて盛んな時期があり、その時は輸出で多くの製品が売れ、高岡の鋳物に関わる人たちも潤った。しかし、それが次第に技術競争から価格競争に変わっていく時に、どんどん廃業する会社が増え、労働時間を引き換えにして製品を作り、疲弊していく人たちが増えていった。

伝統を守るためにも作る人も含めて幸せになっていかないといけないと佐野さんは感じるという。

そのためにも時代の変化と共に守っていた伝統を変えて、新しいものに目を向ける必要もあるだろう。


社会は絶えず変化する。

技術の進歩、グローバル化、環境の変化など、数々の要因が社会に影響を与えている現代。

これらの変化により、人々の生活様式や価値観も変わることを理解しよう。

伝統は社会の一部だ。

この社会に生きている人々を幸せにしていくことが、のちに伝統と言われるものになっていくのだろう。