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「glass studio hayashi
透き通る心でときめきを貴方へ」
ガラスのレース。
そう聞いて、そんなもの存在しないと思う人も多いのではないだろうか。
ガラスとは思えない細かな細工と、シンプルで繊細なデザイン。クリアな透明さを大切にし、日常からアイデアを得たデザインはどんな人にも溶け込む。
glass studio hayashiが生みだすアクセサリーは、ボロシリケイトガラスというガラスの特徴と職人の技術が交わったからこそ生まれた唯一無二の作品だ。
作っているのはガラス細工職人、林 友美さん。
高校の時にガラスに出会い、そこからずっとガラス一筋で夢を追い求め、自分の力で叶え続けてきた。
ガラスをもっと身近に楽しんでほしい。
気に入ったものをずっと使い続けてほしい。
「修理できるガラス」に目を付け、永久的に愛し続けられる作品を生み出した。
誰かの好きを大切にするお手伝いができるのは、きっと自分の好きを諦めなかったからだ。glass studio hayashi代表、林さんの想いとストーリーを聞いた。
「あの日、あの場所で、運命の出会い」
山形県天童市出身の林さん。
共働き家庭の一人っ子として育ち、一人遊びが好きな子供だった。
ひたすら粘土を触ったり、紙で工作をする。絵を描くことも好きで、とにかく手を動かすことが大好きだった。
もともとの器用さもあったとは思うが、洋服や着物を裁縫していた母から受ける影響や学びも多く、母の背中を見て創作意欲と器用さを育んでいた。
中学から高校にかけてはなんとなく美容師を夢見ていた。
進路を考え出す頃、担任に言われた「もっといろんなものを見たほうがいい」という助言で転機が訪れる。
手を動かす仕事は美容師以外にもたくさんある。デザインなんていいかもしれない。
ぼんやり考えながら、まずは仙台の街を歩いていろいろ知ってみようと思った。
山形を飛び出し、仙台の情報誌を持って訪れたのは吹きガラスメーカー、菅原工芸硝子のショールームだった。
…心がときめいた。
素敵な店員さんだった。
ガラスの作り方、職人さんの仕事、デザインの仕方。
高校生だった私に、たくさんのことを教えてくれた。
子供ではなく一人の人として話してくれたことがすごく嬉しかったし、何よりガラスが綺麗だった。
ガラスって、こんなにも自由度が高くてこんなにも綺麗なんだ。
ガラスの仕事がしたい。
まずはデザインについて学ぶため、山形にある東北芸術工科大学 生産(現 プロダクト)デザイン学科に進学。
ガラスへの熱は燃やしつつも、東北芸術工科大学でしか学べない技術がある成型合板による木材加工を履修していた。
知識と技術を身につけて挑んだ就活。デザイン関連の企業等から複数内定をもらうもガラスを諦めきれず、高校の時夢を与えてくれた憧れの菅原工芸硝子に応募。
見事、内定を勝ち取り高校からの夢を叶えた。
「夢の終わりに見つけた夢
ー私だからできる私のガラスー」
菅原工芸硝子では、製造部門に所属。
ガラスに関する知識はほぼ0の状態から職人としての道がスタートした。
職人の世界は想像通り厳しかった。
それでも会社が整えてくれていた学び経験を積む環境や、先輩職人の技術を見て学ぶことで、吹きガラス職人として確かなスキルを習得していった。職人がデザイン提案できる商品開発もとてもやりがいがあった。
しかし、結婚に伴い通勤が難しくなり一度退職。東京にある直営店で販売員として再びガラスに関わることに。
職人としての日々は3年で区切りを迎えた。
製造に関われなかったのは寂しかったものの、直営店での仕事は実りある時間だった。
販売に関する知識、ビジネスマナー、お金の動きなど、製造部では知りえなかった多くを学ぶことができた。
出産に伴い1年で退職となってしまったが、デザイン・製造・販売全てを経験できた4年間がなければ今の私はいない。
退職するとなったとき、本当にガラスの世界から離れてしまうことが悔しかった。
ずっと憧れていた仕事に携われたのに、手放してしまうのか・・・。
個人でもできることはないかと考えた末、酸素バーナーワークに辿りついた。
バーナーワークであれば省スペースでガラス工芸ができるし、バーナーワーク講座を開いている工房もある。
講座を受講する事を決めて道具と材料を揃え、また一からの勉強と鍛錬の日々が始まった。
技術を磨き、少しずつ作品を作り、販売。
試行錯誤を繰り返して、耐熱性のあるボロシリケイトガラス(ボロガラス)を使用して細かい加工を施すスタイルに辿り着いた。
ボロガラスはもともと試験管やビーカーなどの理化学用品を作るために開発されたガラスだ。
耐熱性が高く、電子レンジ対応の製品も作れるほか、壊れたら修理することも可能。
ゆっくり溶ける・硬いという性質があるため細かいデザインを作りやすく、幼いころからこまごまとしたものに魅力を感じる私にはぴったりだった。
こうして、glass studio hayashiを立ち上げガラス職人として新たな道を歩み出した。
「表現するのは日常から零れ落ちた美しさ」
glass studio hayashiは透明さとシンプルさを大切にしながらも、細かく繊細なデザインで唯一無二のガラス細工を販売している。
理念は「硝子は透(スキ)に限る」。
菅原工芸硝子に在籍していた時、尊敬していた先輩職人が言っていた言葉だ。
ガラスは透明でクリアに透き通っていてこそ至高。
透明を主にすることで肌なじみもよく、どんな人でも使いやすい。
主張しすぎず繊細な華やかさを演出できる。
作り手の色を主張するのではなく、使用者に溶け込む作品を目指している。
主力商品はリング、イヤリング、ピアス、イヤーカフなどのアクセサリー。
意外にも軽量で、気軽に長く身につけやすい。
近頃はガラスペンも人気だ。
魅力は何といってもガラスでできているとは思えないほどの細かく繊細なデザイン。
ガラスを編んでレースを作ったり、小さな玉を散りばめたり。
レースボールのかんざしはボールの部分がくるくる動く仕様になっている。
機械ではなく、すべて手作業。そしてボロガラスだからこそ表現できるデザインの数々。
そのアイデアは何気ない日常からヒントを得ている。
葉っぱから垂れた雫。
机の上の景色。
春夏秋冬の移り変わり。
日々の生活、自然の情景からインスピレーションを受けたデザインだからこそ、どんな人にも馴染み、しとやかに彩るのだろう。
基本的にはオンラインと委託、イベントでの販売をおこなっている。
直接お客様と触れ合う際、頂く中で少し悲しいのは「割れちゃうよね」という言葉。
もちろん割れる可能性もある。
でも、ボロガラスは割れて終わりじゃない。
温度変化に強い性質により火の中に入れても割れて飛び散るということがなく、温めなおして割れた部分どうしをくっつけることができる。
割れても修理ができるガラス。ボロガラスの他には負けない魅力だ。
気に入ったものは長く使ってほしい。
割れてしまってもときめきを諦めないでほしい。
万が一壊れた際は一度連絡をしてほしい。
きっと私が、「諦めなくて良かった」と言わせて見せるから。
「割れても直してずっと愛して」
近頃はglass studio hayashiとしてガラスと向き合いつつ、ガラス工場に通い理化学製品を作る技術を学んでいる。
バーナーワーク講座を受講していた時、八木原敏夫氏(八木原製作所)のデモンストレーションを見る機会があった。実験装置や様々なバーナーの種類、技術を学ぶ機会もあり、理化学の分野に興味を持った。
普段の生活では見ることのない、全てガラスで製作された化学実験装置はまるでアート作品のように私を魅力した。縁あって八木原製作所で仕事をさせてもらいながら技術を学んでいる。
技術習得に貪欲なのは、まだまだ作りたいものがあるから。
ゴブレットやポット、食器など、アクセサリーだけでなく生活の中でもっと身近に使えるものを作りたい。
もっと大きなものを作ってみたい。
夢は永遠に膨らんでいく。ガラス細工職人として、この先も技術習得と創作活動への探求心がなくなることはない。
広げていきたいのは、「直せるガラスもある」ということ。
割れたとしても直せる。だからこそもっと身近なものとして楽しんでほしい。
今見直されている古き良き日本の文化。
「壊れても直す。」「捨てずに生まれ変わらせる。」
お皿の金継ぎや、着物をほどいて縫い直す習慣のように。
割れたから終わりではなく直して半永久的に使う。「素敵!」と思ったときめきを、諦めずにずっと大切にしてほしい。そのお手伝いをさせてほしい。
その先に、日本らしい修復文化が今の時代も当たり前になることを願って。