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Obiボル「彩華-いろは-」濃鼠
ストーリー
Obiボル「彩華-いろは-」濃鼠

Obiボル「彩華-いろは-」濃鼠

2022/04/04・byF.O.AF.O.A

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F.O.A-Nouveau Japonisme-


環境に配慮し伝統技術に敬意を払い、現代の空間における用と美のありかたを創造するブランド。先人たちの想いが織り込まれた布一つひとつに命を吹き込み、日本文化を次世代に繋ぎ、日本古来の美しさを後世に伝えていきます。




“愛している”から始まる物語


日本には、春夏秋冬、月日とともに移り変わる素晴らしい季節があります。清少納言の「枕草子」にも、その美しさが綴られていることを多くの方がご存知のことと思います。


日本を代表する文化の一つ、「着物」は、季節ごとにその色合いや柄、つくりなどが変化してきました。


春には、淡い桜の色や、藤の花を思わせる紫、薄緑を。


夏には、紫陽花や朝顔、竹、柳などを取り入れて。


秋には、紅葉や桔梗などで、秋らしさを身にまとう。


冬には、菊や松竹梅を着物帯に咲かせる。


移り変わる四季と寄り添って生きるなかで、暖かさを、時に涼しさを求めながら、風流な装いが、着物や帯に表現されてきたのです。


私の幼い頃の夢は、「旅館にお嫁に行く」ことでした。着物や帯には、古の時代から継承されてきた日本文化の儚い物語が織り込まれています。それらを日常でも、仕事でも、いつでも身にまとって生きられたなら、どんなに素晴らしいことだろうと、夢に見てきたのです。


人生を着物と共に在りたい。


そう想い生きてきたなかで、私はあるとき、一つの哀しい現実を知りました。


使わないから、と、私は友人から帯を譲り受けました。それは普段使いにはまとえないほど煌びやかで、うっとりするほど美しい帯でした。


嬉しく受け取った一方で、世の中には、誰の目に触れることなく、箪笥の奥で息をひそめ続ける着物や帯があるのではないかと思いました。そして実際に、使われなくなった着物や帯がリサイクルショップに出され、その後、行き場のない品が廃棄される状況を目の当たりにしたのです。


破棄されてしまえば、着物や帯に込められた技術や、想いそのものが失われてしまいます。

それは、誰かが大切にしてきた思い出という、物語の喪失でもあると思うのです。


私は、愛するものたちのために、何かしたい、しなければならないと、衝動に駆られました。




アップサイクルにより、新たな命を吹き込む


着物は、いまでは普段から身に着ける人は多くありません。洋装とは異なり、着物はその身に着け方を学ぶ必要があり、気軽に着るのにもハードルが高くなっています。


では、日常で、いつでも着物や帯を感じることができたなら、どうだろう?


私はこれまで、建築やインテリアのデザイナーとしてのキャリアを積んできたこともあったので、家やホテルなどの空間に、どんな形のものがあったら素敵か、様々に考えを巡らせました。


そして、最終的に思いついたものが、「クッション」でした。


クッションであれば、室内で日常的に使えますし、インテリアとして飾るだけでも素敵です。アンティークから新たに姿を変えた着物帯が自宅にある様子を想像し、私は胸が踊りました。


思い立ったが吉日。友人であり、頼もしきビジネスパートナーでもある、表 志穂とともに、私は自分のアイデアを携えて、一人の縫製職人さんを訪ねました。


その人、古田 久典さんは、日本人としての感性を大事にされ、伝統文化を重んじられている方です。私と表がインテリアコーディネート事務所に従事していた8年前に、クッションや座布団カバーなどのインテリアファブリックの制作を依頼したのが、古田さんとの出会いのきっかけでした。


古田さんは、常に感謝の気持ちを忘れず、どのような立場の方とも平等であることを好まれます。一つひとつ丁寧に、モノづくりに対して妥協せず、歴代の着物帯の作り手・使い手をリスペクトし制作を進めてこられた人です。


着物帯に、新たな命を吹き込むためには、この方のご経験と知識がなくてはなりません。特に帯は普通の布とは異なり、重厚感があります。どんな布が合うのかなど、様々にアドバイスを頂き、実際に形にするためのご協力を頂きたいと考えたのです。




私たちは着物帯を手に、商品開発のご協力のお願いに伺うと、古田さんは快く、ご了承くださいました。


伝統ある古きものに、新たな命を吹き込む──


志をともにする、3人のチームがここに生まれたのです。




本質の表情を、より美しく



岐阜県高山市の中心部から、車で20分程の河川沿いに古田さんの縫製工房があります。工房には、工業用のミシンが数台あり、沢山の布や素材に囲まれています。


クッションが出来上がるまで、大きく5つの手順が必要になります。


①着物や帯の選定

②経年劣化を考慮したデザインの決定

③素材にあわせた底張りやロックミシンなどの下準備

④本縫製

➄出来上がったクッションへの名づけ


着物帯は、箪笥で眠っているものの処分に困っている方から預かったり、リサイクルショップで購入したり、知人や友人が届けてくれたりしたなかから選んでいます。


なかには、経年劣化で色が褪せたり、シミのあるものもあります。そうしたものは、染み抜きするなどして、出来る限り余すことなくアップサイクルすることを心がけています。


制作にあたって、私たちが最も大切にしていることは、帯たちの本質を損なわないようにすること。


着物帯は、色合いも、柄も、とにかく、表情豊かで個性的。織りや厚み、文様なども、一枚一枚、異なります。着物帯の文様(柄)は、梅・牡丹・松など、季節を代表する花木から、鶴・御所車といったお祝いごとならではのものまで、種類も様々です。そこには、「子孫繁栄」や「夫婦円満」など、人生をより豊かにと願う想いが込められています。


そんな帯を、どんな着物に合わせて締めたのか。衣擦れの音が聞こえてくるような、昔の情景を思い浮かべ、デザインを練ります。細かく切り刻むことなく、着物帯の一番素敵な表情を引き出すことが、私の使命です。そうして出来上がった作品を、自分は本当に欲しいのか。デザインの最終決定まで、自分の心の声にとことん寄り添います。




Obi座と、Obiボル


アンティークの着物帯が、新たに2つの形となって、生まれ変わりました。


Obi座と、Obiボルです。


着物を着たことのある方には知られていますが、着物の帯は、半分に折ったものを身に巻き付けます。そのため、折り筋がついてしまうのですが、それが上手に隠れる形で、威風堂々と、または、慎ましく、その表情を魅せてくれます。


Obi座は、ずっと抱きかかえていたい風合いに仕上がりました。クッションに咲く文様の表情には、うっとりするような味わいがあります。


また、Obiボルには、それぞれが放つ個性からインスピレーションを受け、帯揚げや帯締めを飾りました。縦にすれば、人が着物をまとう姿が現れます。


中身のクッション材も、最も素材が生き生きとするように、分量などを調整しています。手触りや、抱えたときの硬さに心地よさを感じていただけると思います。




100年先の誰かにも届いて欲しい


ここにあるものは、すべて、一点もの。私たちは、その一つひとつに、名前を付けています。元の着物帯の文様に込められた想い──繁栄や祝い、風花雪月への礼賛など、そこにあるものの意味を考え、新たな名を添えるようにしています。そして何より、手にしていただいた誰かの人生に、更なる豊かさが降り注がれますように、と。


クッションは、元はアンティークの着物帯です。様々な方の手に渡り、愛されたであろう想いとともに、長い年月を経て現代に至っておりますので、当然ながら、新品とは異なります。擦り傷や使用感などがあり、帯によっては100年以上を経ています。経年変化の状態や、微細な傷すべてを完全にご紹介することは困難なのですが、なかには、それを「中古」と捉え、敬遠される方もいらっしゃるかもしれません。しかし、むしろ「アンティーク」という、美術品的または骨董品的価値を持つ品として捉え、その味わいを感じて頂ける方にとっては、長年、愛していただけるものであると思っています。


生まれ変わった着物帯たちは、新たな使い手のもと、可愛がってもらえるよう愛を込めて作り上げています。この子たちは、どのようにあなたの暮らしを彩るでしょうか。


日本の文化・着物帯の美しさを感じながら、使い手の心を満たし、ともに幸せな時間を過ごしていただけることを願っています。


そして手に取ってくださった方には、いつか、ご友人や大切な方へ「宝物」だと誇らしげにお伝えくださり、少しでも長く愛していただけたら、こんなに嬉しいことはありません。そして、デザインだけではなく、私たちのモノづくりへの想いに共鳴してくださり、日本文化を後世に繋げたいという気持ちとなり「本物」を残すことにご協力いただけると、なお嬉しく思います。




いまを生きる時代とともに、より素敵な価値を添えて


一度この世に生み出されたモノに、最後の最後まで価値を与え、使い続けていくこと。そして、大量生産・大量消費による課題を改善する方法を探し、挑戦していくことには価値があると思っています。


過剰生産は、環境にいい影響は与えません。どんなにいいものでも、いずれ何らかの形で私たちの暮らしに弊害をもたらすでしょう。


例えば、その時代や社会だからこそ生まれた着物帯を、現代人が目先の合理性だけで廃棄してしまったとしたら、それは大きな損失にしかなりません。当時の貴重な歴史的背景や、継承されるべき技術・文化、何より人から人へと紡がれた想いが失われてしまうからです。


いまや、すべてのモノやサービスは、需要と供給のバランスによって価値が判断され、取引されています。文化すらも同じ法則の上に並べられ、本当は守るべき価値があるのに、廃棄される文化も少なくないでしょう。


着物帯もそのひとつ。


だからこそ、私たちはF.O.Aの活動を通し、後世に残し、繋げたいのです。伝統を守る、残すためには、「伝統をそのままの形で変えずに残していく」ことと、「伝統を現代に合わせた形に変えて残していく」ことの、大きく二つがあると思っています。私たちは、後者を選択しました。


日本文化のひとつである着物帯を、現代にあわせた形で、次世代へ繋いでいくことに決めたのです。


いま、様々な方法でエシカルなものづくりが進んでいますが、例えばそれをデザイナーひとりが意気込んでも実現はできません。「携わる全ての方々の意識」が必要だと思っています。その意識が、例えば、思わず「素敵!」とF.O.Aの作品を手にしていただいたことをきっかけに、少しずつでも変えていく足がかりになれば、本当に嬉しく思います。


私たちは、100年先もゴミにならない、利益や自己満足だけではない、付加価値を生み出す創作を続けていきます。そして、アップサイクル事業を通じ、継続できる仕組みづくりや、想いと作品を多くの方に届けられるよう、精進いたします。



========


【F.O.Aのメンバー紹介】


阿部 千登勢 / Producer & Designer

・東京の建築会社にて住宅設計士・インテリアデザイナーとして勤務

・織物の町・新潟県十日町で染織技術を学ぶ

・郡上紬の第一人者である人間国宝・宗廣力三氏の長男が率いる

「郡上工芸研究所」にて研究員として従事

・岐阜県高山市へ地方移住

・木工房へプロダクトデザイン提供、開発

・インテリアコ-ディネート会社にてホテル・旅館のスタイリングを経験

・大手建設会社のインテリアコーディネーターとしてフリーランスで活動

・株式会社HIDAIIYO運営の分散型町家ホテル「 IORI STAY」

インテリアコーディーネート&スタイリング担当


古田 久典 / Creator

・飛騨高山の大手家具会社に入社

・ファブリック部の立ち上げ責任者に抜擢

・ファブリック事業で独立

・有名家具ブランドの商品開発・デザインに携わる

・木工とファブリックのオーダー品の制作


表 志穂 / Director

・短期大学時代から接客業に従事

・大手小売業、アパレル部門において、年商約7.9億円の売場主任に就任

・新入社員の教育・チームマネジメント・新規店舗開設業務などに従事

・2014年よりコーチングで起業

・売上Upに関するビジネスコーチングを実施、延800名を超える起業家とのセッションを重ねる