セジー100本
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この品物の注目して欲しいポイント
作り手
品物の生産に関わった作り手の顔とコメント
生産地
品物が作られた場所
原材料
品物の素材や原料
天然菅(すげ)/Grey Sedge
100%
リサイクル素材
リサイクル素材が使われている割合
リサイクル素材は使われていませんが、使い終わったら様々な用途で再利用できます。
二酸化炭素排出量はストローの中で最小限。二酸化炭素を吸収します。また、リジェネラティブ農法で育てられ、畑を耕す必要も加工する必要もありません。二酸化炭素を出すのは低温オーブンで乾燥させる時と運送の時のみのため、気候変動への負担も極めて小さいです。
SDGsへの貢献
この品物がどのSGDsに貢献しているか
目標1:貧困をなくそう:原産国のベトナム・ホーチミンの田舎に雇用を造出。
目標5:ジェンダー平等を実現しよう:現地で主に女性を雇うことで地域社会の経済的発展とウーマンエンパワメントに貢献。
目標8:働きがいも 経済成長も:都会への人口移動で働き手が少なくなっている地域で農家や従業員にフェアな報酬・給与やフレキシブルで働きやすい環境を提供し、多世代に渡り生活の支えに貢献。
目標12:つくる責任 つかう責任:完全生分解性素材の商品やパッケージを用い製造過程での温暖化ガスの排出や資源ロス、ゴミなどは極めて少ない。
目標13:気候変動に具体的な対策を:プラスチック、PLA、紙、鉄製など、他の代替品より排気ガスがはるかに低く、業界中では画期的。
目標14:海の豊かさを守ろう:プラスチックを減らす事で、海に流れる割合を大幅に減らし貴重な海洋生物の生息地を守る。
目標15:陸の豊かさを守ろう:森林伐採不要。循環型農法利用。オオヅルという絶滅危惧種の生息地でもある南ベトナムの湿地帯に生える天然すげ畑を守りながら経済の急成長による工場や田んぼの拡大を抑える。
目標17:パートナーシップで目標を達成しよう:日本や海外パートナーと協力して、相乗効果を作り、農業、機械などの技術を取り入れ、環境活動家、専門家と連携をとり製造の効率化を測りながら、環境保全と意識拡大。
影響・効果
社会にどんな影響・効果があるのか
ストローの形として生えてくるセジーはエコロジカルフットプリント(排気ガスなど環境負担)が極めて小さいです。PLA(ポリ乳酸)と植物繊維で作られるいわゆる ""bio plastic"" のストローと比べ、製造過程で消費されるエネルギーや水の量も圧倒的に少ないです。また、特定のコンポスト環境でしか土に戻らないPLAと違い、間違って外で落としても安心です。また、紙ストローは製造過程においてプラスチックストローより5倍以上の温暖化ガスを排出しますので、現在流行している代替品よりもサステイナブル。
*捨てる場合は通常のゴミ箱ではなく、生ゴミやコンポストに捨てましょう。ゴミ袋に入った状態で埋め立て地に流れても意味がありませんからね。
ふやけたり、解けたりは一切しません。湿地帯に自生するセジーは水によって活かされています。飲み物に入れてしばらく経つと、植物本来の弾力性が出て、生き生きしてきます!その後、折り曲げても元どおりに戻ります。現在多く使われている紙ストローは飲み物一つでも何本も使われることもあり、ロスにつながります。
生態系の保護につながります。ベトナム南部の湿地帯を生息地とする動物がいっぱいいます。その中で絶滅危惧種に登録されているオオヅル(Sarus Crane)はその生態系の貴重な一員です。
セジー畑のすぐそばに自社工場がありますが、私たちも幻想的に空を飛ぶオオヅルの姿を一度しか見たことないほど減少しています。インドでは「愛の象徴」とされ、つがいが一度結ばれたら一生添い遂げるのです。近年ホーチミンの急成長に伴い田んぼや工場が拡大しています。この環境を守ることでオオヅルも含めた生物多様性に富んだ生態系の保護につながります。
セジー農業に用いているリジェネラティブ・ファーミングは定期的な「移植」が中心になっています。約12ヶ月成長したすげは密度濃く生えてきて、収穫時期を迎えます。束となった一番強いものを根っこごと集められ、違う畑に移植します。そして想像の通り、循環。
こうして自然本来の持続性を促すことでオオヅルの生息地、原料の確保、雇用の安定、プラスチックストローの大幅な削減、結果的に環境汚染の改善が可能になります。
レア度
品物の希少性
Story
品物のストーリー
セジーの特徴は、完全に土に戻るだけでなく、ふやけない、むしろ使っている内にどんどん強くなること。
便利さを求めて行き過ぎた消費社会により多くの生態系が壊されていく現実を見て、誰もが胸を痛むことでしょう。
僕も学生の頃から意識が変わり、自分なりに生活へ工夫を取り入れて生きてきました。
そんな中、使い捨てプラスチック問題が深刻化し出したタイミングでこの植物に出会ったのです。
本場ベトナムでセジーに魅了されてすぐに製造会社を始めることを決意した親友から「一緒にやらないか?」と誘われ、僕も現地に足を運び自分の目で確かめました。
決め手となったのは世界の社会課題に対する意識の拡大、それに伴う法律の見直し、とてつもないストローの消費量(世界で毎日約20億本!)、そして、自然環境の要素が全て揃っている南ベトナムだからこそできることです。
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「セジー」と私たちについて
美しい南ベトナムに広がる湿地帯。そこでたくましく自生する多産多作の植物「セジー」。何世紀にも渡って現地の人々に愛用され続け、今でも無農薬、無添加、循環型農法で育てられるセジーは世界でストローとしても大活躍中です。
マイクロプラスチック汚染や気候変動、一部の人間たちが作り出したグローバル問題に「 自然な答え」を提示するためYNI Vietnam社はStrawlific(ストローリフィック)というブランド名で2019年から製造・販売を始め、2020年に日本進出を果たしました。
セジーの特徴は、完全に土に戻るだけでなく、ふやけない、むしろ使っている内にどんどん強くなること。
Strawlificのクリエイティブ・ディレクター兼YNI JAPANの代表を務めるのは、アメリカ出身日本在住20年のコーリー・ターピンです。静岡市を拠点に翻訳やアート活動しながらサステイナブル事業を展開しています。
「セジー」との出会いと決め手
便利さを求めて行き過ぎた消費社会により多くの生態系が壊されていく現実を見て、誰もが胸を痛むことでしょう。僕も学生の頃から意識が変わり、自分なりに生活へ工夫を取り入れて生きてきました。そんな中、使い捨てプラスチック問題が深刻化し出したタイミングでこの植物に出会ったのです。
本場ベトナムでセジーに魅了されてすぐに製造会社を始めることを決意した親友から「一緒にやらないか?」と誘われ、僕も現地に足を運び自分の目で確かめました。
決め手となったのは世界の社会課題に対する意識の拡大、それに伴う法律の見直し、とてつもないストローの消費量(世界で毎日約20億本!)、そして、自然環境の要素が全て揃っている南ベトナムだからこそできることです。
過疎化を防ぎ、生態系保全にもつながる
アグリカルチャー面でのこだわりは主に2つ。
農薬を一切使わないことと、リジェネレティブ農法を取り入れていることです。
セジーは収穫時に一部を残し、その中から一番強くて丈夫なものを根っ子ごと移植して循環させています。そうすることで原料と雇用の確保だけでなく、生態系の保全にもつながります。
ホーチミンはアジアで2番目の成長率で拡大しており、働き手が田舎から都会に移住し、工業地帯や田んぼが増え、湿地帯も少しずつ減少しています。
セジー畑を守ることが、絶滅危惧種であるオオヅルも含めて貴重な動物やその生息環境を守ることにつながり、雇用を創出して過疎化を防ぎます。
さらに、他の代替品に比べてエコロジカルフットプリント(環境負担)も極限に小さく、業界内でも画期的です。
プラスチックや鉄製のストローがお客様の手に届くまで、原料の採掘作業や製造過程などでどれほどの資源とエネルギーを使うか。PLA樹脂にしてもちゃんと分解させるのに必要な大型コンポストで特定の環境を管理するコストもかかります。
それに対してセジーは循環型で再生可能。普段よく食べる野菜などに比べても育てるのにほとんど手間がかかりません。
地域全体の発展へ
Strawlific独自のこだわりとしては、農家や従業員としっかり向き合い、彼らの生活に具体的なインパクトを確認することと、ウーマンエンパワーメントが挙げられます。工場やオフィスでは主に女性を雇い、 フレキシブルな雇用制度を取り入れることで各家庭に新しい収入源ができ、地域の社会的かつ経済的発展につながります。障害者の雇用も行っています。
地域では昔ながらの生活が残る一方、現代社会の悪い影響が浸透しているのも事実。田舎の一般家庭ではゴミの分別や環境問題についての知識がまだ浅く、畑のすぐ隣にプラスチックゴミ(ストローも)が落ちていたりします。そこで優しく指導したり、時々英語のレッスンもやっています。
最高のストローを作るために、ゼロからの試行錯誤
ストローができるまでの工程としては、
まずセジー畑まで行き、農家たちと話して一緒にコーヒーでも飲んで収穫したてのセジー束をもらいます。それを自社工場まで運び、まず外側の皮や汚れを洗い落とし、適切な長さに切ります。それから中の掃除をして乾燥させ、天日干しして赤外線を浴びさせ、専用のオーブンでも低温でゆっくり熱をかけて殺菌します。最後に仕分けし、不良品などを取り除き、梱包してお客様のところへと送り出します。最高の状態にするためのコツや工夫がいくつかあり、ほとんど手作業で行われているので一本一本に愛嬌があります。
ゼロから試行錯誤を重ね、最高のストローを作ることには特に苦労してきました。衛生的にも、ストローの形や寿命を極め、様々なハードル(ベトナムの言葉や文化を覚え、社会主義での規則などをクリアすることも)を乗り越えて、今があります。
ものづくりは「解放」
子どもの時から芸術、ダンス、音楽の領域でものづくりをしている僕にとって、ものづくりは「解放」です。
古代からものづくりは人間にとって衣食住そのものであり、自己表現でもあり、記録でもありました。 やらないでいられない時とやりたくても出てこない時と両方ありますが、自然と湧き出る感覚、集中して「何もない」状態から新しい「何か」をこしらえる時の、いやな出来事や余計なことを考えなくていい、考えてもいい、瞑想に近い解放的な感覚が自分を成り立たせてきた大事なプロセスの一つです。
作り続けることになると、これはまた解放とは正反対の「訓練」や「自制」が必要になると思います。それから「好奇心」を忘れないことと、最も重要な「バランス」ですね。これが揃うとそれこそサステイナブルが可能になると思います。(これはあくまでも心構えの話です。)
セジーに関して言えば、作り続けることができるのは農家、従業員、パートナー、そして何より大自然のおかげです。
サステナブルを忘れるほど、普通に「いいもの」
エシカルとかサステイナブルとか、今までは堅いイメージがあって敷居が高いと思っている人が多いようです。興味ある人にとっては熱くなれるけど、一般の人にはピンとこない、頭に入ってこない、生活に反映させにくい、という傾向がありますね。そうなるとニッチで終わってしまいます。本来は皆の生活の基盤となるはずなのに。
もっと楽しい、参加しやすい、面白い、かっこいいとされていたらかなり社会は変わると思っています。セジーは確かにすごくサステイナブルだけど、使ってみればそんなことも忘れてしまうくらい、普通に「いいもの」だということを感じてもらいたい。消費習慣を改めて考えるきっかけになれば嬉しいです。
対立ではなく、協力と融合が必要
様々な面では今世界がいい方向に進んでいる一方、対立や二極化も今増しています。サステイナブルの領域でも対立が続く限り持続可能な未来が遠くなるだけです。当たり前ですが、地球環境が良くなるには企業、民間、行政、皆の力が必要になります。ものづくりや販売に関しては 、未来に向けて国や地方レベルでイノベーションとインセンティブを駆使した実験を行いながら、過去の教えや人道的なアプローチを取り入れるというnew × oldの融合が見たいと思っています。
安さは本当は安くない。セジーで循環経済の前進へ貢献
これから日本もどんどん意識と法律が変わり始め、今まではなんとも思っていなかったもの、当たり前に使っていたサービスもまた変わり、例えばストロー1本でも安ければいいという思考も変わります。経営者や消費者にとってはもちろん安い方がいいのですが、その安さについてくるエクスターナリティ(外部への影響)を考えると本当は安くないです。汚した環境をまた綺麗にするには莫大な金額と労力がかかり、最終的にまた個人に負担が回ってきます。
セジーがスタンダードになり、サーキュラーエコノミーの前進に貢献できれば嬉しい限りです。産業に関しては、将来的にもっと協力し合える、近所の花屋やクラフトビールのように楽しくシーン全体の底上げを目指せるものになれたらより大きく具体的なインパクトを残せると思っています。
セジーで飲む時は、少しでも優しい気持ちになってもらえたら嬉しいです。
飲んだ後、またふとした時に本人の中に何らかの変化を感じてもらえたら最高です。
(おまけ)作り手の幸せ時間
私の最も幸せな時間は、妻と愛猫のミャーコと朝のゆっくりした時間です。
ちなみにベトナムにいる相方は、生後3ヶ月の娘と遊ぶ時だそうです。