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みずえ5月
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みずえ5月

容量125g 東京都江戸川区 自宅屋上にて採取 春一番の桜、菜の花,フジ,アカシア などの百花蜜。 桜の香りがふわっと感じる人気の蜜です。
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y&y honey
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Story

品物のストーリー

東京都江戸川区瑞江を拠点に様々なハチミツを採取しています。
採取する場所や季節の花の種類の違いによって異なる色、味、香。
ミツバチの花から花への旅を想いながら、
香り高い天然によるブレンドをお楽しみください。

Learn Stories of Makers

「都会の屋上に、居場所を作って」


20代
自分の好きなことを全力でやった。
旅、カメラ、映画・・・
そこには多くの出会いがあった。

30歳
何も分からずに鉄工所の社長になった。

やりたい仕事ではなかった。だが、やらなければならない家業だった。

自分よりずっと年上の従業員の目は決して優しいものではなかった。
昼夜を問わず働いた。
大好きだったカメラを手放し、人に会う時間も削った。

そんな自分にとって唯一くつろげた場所が3階建の実家の屋上。
夏になると花火が綺麗に見え、父の植えた藤の花が綺麗な場所。

ここにくるといろんな好奇心が湧く。
幼い頃から自然が大好きだった。
この屋上は自分が大好きな場所にしよう。
プランターを始めたり、もの作りもしてみた。
こんなに自然があるのだから、蜂がいたら蜜ができるかもしれない。

40歳
カメラを通じて出会った友人の勧めがあり、屋上で養蜂を始めてみた。

55歳
今では鉄工所を営む鈴木さんだけでなく、養蜂家の鈴木さんとして、その名が広まっている。


諦めつつあった過去の好奇心や出会いを、
現代・未来に繋げてくれたのが「蜂」と「人」だった。

東京都江戸川区の屋上から始まり、現在では日本各地で養蜂を行う「y&y honey」 代表 鈴木 義明さんにその想いとストーリーを聞いた。

「好奇心の赴くままに」



東京都江戸川区で鉄工所を営む家に生まれた鈴木さん。

大都会東京。
なんでもある場所なのに何もなく感じてしまう場所。
友人の実家がある九十九里では広い海に真っ赤な夕日が沈む。夏はみんなでスイカを食べる。こんな光景が好きだった。

絵を描くことも、図工や理科の実験も好きだった。

でも、この「好き」を行動にする時に一筋縄ではいかなかった。
何をするにも両親の反対がつきものだった。
美術部が気になるのに運動部を勧められたり、小学生のころから中学受験の勉強をした。

「早く家を出たい。」
中学からはだんだん親の言うことも先生の言うことも聞かなくなる自分がいた。
薄暗い中で油まみれになりながらものを作っている父の姿が正直好きではなかった。
勉強をやめ、バイトをして貯めたお金でレコードで音楽を聴いたり、映画を観た。

高校を卒業してから、縄文土器を巡るため北海道まで旅に出た。
旅をした半年間、学校外の人との出会いがたくさんあった。
少し年上の人から聞く話が面白く、行く先でバイトをしたり勧められた場所に行ってみたり。

「人とのご縁で動く」

これがとても楽しかった。


東京に戻ってからは映画の専門学校に通い、卒業後は作品作りをしていた。
家を飛び出して、住み込みの仕事をしながら映画を作ったり写真を撮った20代。その腕は30歳の時にコンテストでグランプリを獲得するまでになった。

そんな30歳の時に、父が病気で他界した。

「新たな居場所」


鉄工所を引き継ぐことは決まっていた。

やりたいことではなかったが決められていたことだから割り切れた。
何も分からず社長になり、もちろん周囲の目は冷たかった。
持っていたカメラ機材は手放し、深夜2時ごろまで働き、朝は6時半に現場に行く。そんな日々が3年続いた。

気分転換になる、唯一の遊び場が自宅の屋上になった。
屋上で寝転がって音楽を聞くのが唯一の楽しみ。

亡き父が植えた藤の花。
そのツルは屋上まで伸びていた。
この整理をしているうちに、屋上を綺麗にしたくなり、プランターを置きハーブを育ててみた。
そんな時、たまたま写真家の友人のいる長野の家で友人が養蜂をしていることを知った。
ハーブや野菜を育てている屋上で養蜂ができたら面白そうだと思った。


40歳。

蜂は風水で「幸運の象徴」と言われている。
結婚のタイミングで養蜂を始めてみた。

当時養蜂についての細かいことが書かれている本がなく、養蜂協会に電話をして質問をしていたところ、近所で養蜂をやっている方を紹介してもらえた。

3年間つきっきりで養蜂を教えてもらううちに養蜂の楽しさを知った。

採蜜のタイミングが悪いと水分が多くなってしまったり、ダニがついて処理の仕方に困ったり、最初は失敗ばかりだった。
ただ、何度も考えながら挑戦したことが楽しかった。

20代で打ち込んだことの多さ。これが今につながる鈴木さんの強みかもしれない。
そのころの繋がりがきっかけで千葉県市原市の農村の一角を紹介してもらい江戸川区だけでなく郊外でも養蜂ができるようになった。

週に一度市原市に通う生活が始まった。
雑木林を開拓して場所を作ったり、豊かな自然を見ていると幼少期に見た九十九里の自然を思い出す。自分が小さい頃に思い描いていた生活が形になってきた。

「蜂蜜の味は吸う花の蜜によって変わる。」



近所の人に蜂蜜を配った時、「美味しい」「ありがとう」と言われることが素直に嬉しかった。
工場で働いているとお客様と直接話す機会がないが、養蜂は直接評価をもらい手応えを感じられる。
だんだん蜂蜜の量も増えたころ、友人のベーグルやさんとともにマルシェに出店することになった。

これが「YardYhoney」のはじまりだ。

今では青山ファーマーズマーケットにも出店し、お客さんとの会話を楽しんでいる。
鈴木さんの趣味の多さは会話の引き出しの多さになっていて、仲良くなったお客様が農園に遊びに来ることもあるほどだ。
人との出会いがあって蜂にたどり着き、蜂との出会いがなければこんなに出会いに溢れる日々もやってこなかったかもしれない。

「天然の味が美味しい。」
「季節によって商品が変わり、その違いが楽しい。」

蜂蜜は吸う花の蜜によって味が変わる。
東京は桜が多い。地方だと花の種類が変わる。
花の種類が変わると蜜の味も変わっていく。

この違いが面白いので楽しんでもらいたい。
はちみつってこんなものだよ、と伝えられたら良いなと思う。

鈴木さんのはちみつにはそれぞれ地域の名前と花の名前が付けられている。


蜂にはダニがつきやすいという特徴があるので、大きな農園では農薬がたくさんの抗生剤が使われている。
小さなお子様にだって食べることがあるし、蜂に負荷をかけるのもなと思い、抗生剤は使用せず 農薬も最小限に抑えた。

どうやったら薬の影響のない蜂蜜ができるか考え、できるだけ綺麗な状態を保てるようにと毎年春になると新しい巣枠で採蜜している。

「蜂が教えてくれたこと。」



養蜂を始めて知ったのは、東北でヘリコプターで農薬をまいていた農園の蜂が大量死したという事実。
これを知り、「普段自分は何を食べているのか」と気にかけるようになった。

食品添加物が多く使われている現代だがこの先の体のことや地球のことを想うとき、
一度立ち止まって自分で考える必要があるのではないだろうか。

有機栽培にこだわる農家の野菜はドレッシングがいらないくらいに美味しかった。
口に入れるものは本来こうあるべきではないだろうか。

情報社会の今
いろんな意見を聞いて、自分で判断していかないといけないのではないだろうか。

食べ物の先の世界は美味しいだけじゃなくてもっと見極めなくてはいけない。
そんなふうに考えるひとが増えてほしい。

数十年前に日本で作られ放置された人工林。そこに蜜は集まらない。
蜂蜜を通して伝えたいこと。
それは、食べる人たちが、ものを作る裏にはつくる人や蜂がいること、蜂の裏には大自然があり、花がないと蜜が集まらないこと。

鉄工所の屋上では養蜂の見学会を開いている。
花が咲いていて、上を見上げると蜂が飛んでいる。
この循環ではちみつができることを伝えたい、と思い始めたイベントだ。

「好奇心の向かう先」



40歳のときから養蜂を始め、55歳になった鈴木さん。

農業や舞台、アートなど
もの作りが好きで
「何か作りたい」
この欲は今もなお続いている。

営んでいる鉄工所の新しい取り組みとして鉄を使った家具作りも始めた。

自分で作ることの面白さを再確認した鈴木さんの目は好奇心で溢れ、輝いている。
家具は売れ残るとゴミになる。
それではゴミから何か作ったらどうだろう。
廃棄されたものからもう一度作り直すようになった。
これからはアートに近いものを作っていきたい。
舞台の裏方も友人に誘われてやってみたし、畑仕事もするし、カメラもやっぱりやっている。

「もう歯止めが効かない」と笑顔で語る鈴木さん。
30代、仕事に没頭しやめてしまったことをもう一度やりたい。

全ての好奇心に従う鈴木さんが大切にしている「YardYhoney」の蜂たちは鈴木さんにたくさんの出会いを連れてきてくれている。
青山ファーマーズマーケットで初めて出会う学生のお客様と蜂の話じゃなくて趣味の話をして半日が経っていた。

出会いを通じて蜂蜜に辿り着き、蜂蜜を通じて出会う。

自分でよく考える。
そして
好きなことは思いっきりやったら良い。
出会いたい人には会いにいけば良い。
忙しく日々が過ぎ、日々心と体を消耗している人が多い世の中で、好奇心のままに生きることが人生を充実させるコツになるかもしれない。