桃ジャム(日川白鳳)
夏の太陽が、畑をやさしく照らしだす頃。私たちの農園では、桃の木が甘い香りを放ち始めます。品種は「日川白鳳」。緻密でとろけるような果肉と、滴るほどの果汁が自慢の桃です。
「この、木の上で完熟した瞬間の感動を、そのまま瓶に閉じ込めたい」。私たちのジャム作りは、そんな純粋な想いから始まりました。
朝露が光るうちに収穫した桃を、その日のうちに一つひとつ丁寧に手で皮をむく。果肉のゴロッとした食感を残すため、あえて大きくカット。大きな鍋に入れ、加えるのは北海道産の甜菜糖だけ。桃の上品な香りが消えてしまわないよう、コトコトと、ごく短い時間でやさしく煮詰めていきます。
キッチンに甘く芳醇な香りが満ちる時、最高のジャムが完成した合図です。機械任せでは決して作れない、果実と対話しながら作る手仕事の結晶です。
一口食べれば、きっと誰もが笑顔になる。そんな、太陽と土の恵みがくれた素直な美味しさ。慌ただしい日常の中に、ほっと一息つけるような、贅沢なひとときをお届けします。